ネタバレも辞さない本音#3

裏切りの街
評価3.2


あらすじを簡単に説明すると、人妻と彼女持ち紐男が出会い系で知り合ってデキちゃったけどなんだかんだあって結局どっちの相手も浮気してたからまあいっかという、ドロドロ後味すっきりしない系だ。


この映画のセリフや動きにはたくさんの変な間がある。表情も滑らかでないし、セリフには台本に書かれないような詰まったような笑いやぎこちなさがある。
だがそれがいい

その部分こそがこの映画の醍醐味と言っても過言ではなく、映画というよりはむしろ突き詰めた本物の現実を自分は安全な立場から覗き見ているようなそんな気分いなれる作品である。


最初のシーン、出会い系を通して主人公らが出会う。ここのぎこちなさがまあ半端ない。
最初は相手の気持ちが分からずによそよそしくなるのはまあ分かるが、打ち解けあった後の両方口下手だけどでも会話は楽しくて、上手くしゃべろうとするけどできてない感じ、昼に見る情報番組や好きなお笑い芸人という話題

そのすべてがとてもリアルですごく生々しい。


さらにこの主人公自分から決定したくない人間ときていて生粋のクズ人間である。

なにかを決めるのは全部他人のせいにしたいという欲求が人一倍強く、素直に会いたいと言わずに滅茶苦茶回りくどく歴代のM1の中でどのネタが一番面白いかなどというとても議論のしがいのある話題でジャブを打ったり

いや自分は別にラブホとか行こうと思ってたわけじゃないけどそっちが言うんなら別にやぶさかではないぞというスタンスをとってみたりとなかなかのものである。

 

それに留まらず、その浮気相手が妊娠したことを知ったときの反応もクズofクズ、ベストクズラーオブザイヤーフロムニュークといった感じで

中絶という決断をした後に「大事になったかと思って焦った、大したことなかったんだね」などとほざきだす始末。

万死に値するとはこのことである。


しかしながら、このクズっぷりを見事に演じきった池松壮亮という役者はすごいと言わざるを得ない。

上手い役者というものは、観客に演技上手いなあ、名演技だなあと思わせるのではなくそれを超えて憤りを感じさせたり、共感させたりということが出来るのがそうだと思う。

池松壮亮の演技はそれを思わせる何かがあった。


浮気がテーマだとだいたいバレて修羅場ってでもなんだかんだ丸く収まるか、バッドエンドかのどちらかが圧倒的に多いが、なんというかハッピーエンドでもバッドエンドでもないある意味で後味の悪い映画だったと思う。


まとめとしては自分のやってることは他人もやってるよ!

浮気ダメ絶対って感じです。

 

6268/1000000